Memorial Hall
佐 々 木 象 堂 記 念 館
佐渡ゆかりの人間国宝・佐々木象堂の作品が放つ気品と
生命の息吹にあなたはきっと心を奪われる

蝋型鋳金の傑作「瑞鳥」
幸運を招くと言われる鳳凰をデザインした作品
昭和33年、日本工芸展に出品し最高賞を受賞
皇居新宮殿造営にあたり、その棟飾りのデザインに採用され
今もその偉容は宮殿のシンボルとして空高くそびえています
作品の工程と特徴
【蝋型鋳金技法】
ロウを材料に使い鋳造する古くからの技法で、ロウの柔軟さを生かして自由に造形できる
【特徴】
動物の特徴を的確に捉え、その造形を直線と曲線で再構成してシャープな感覚で仕上げる
独特な技法と美的感覚により高く評価されている

1
ロウを竹ヘラや手先で加工して作品の原型を作り鉱物用の真土で包み込む
2
高温で焼き上げてロウを鋳型から流出させる
3
流出した空洞に溶解した金属を 注入し冷却して鋳型を割る
4
やすり等研磨用の道具で仕上げる

その他展示作品(一部)
と解説

「蝋型黄銅柳文花瓶」
大正8年
上下幾段にもめぐらせた線は意匠的に考え抜かれた緊密さを持っている。
柳の枝の技巧に至っては細緻を極め蝋型鋳造技術の極点にある。

「蝋型鋳銅稚子馬郎婦像」
昭和32年
天真爛漫な童子の姿態を仏像に托した造形である。馬郎婦は中国の伝説にある女性である。

「蝋型金銅瑞鳥薫炉」
昭和7年
孔雀を意匠して薫炉とし丸鉢の上に載せてある。当時として極めて斬新なものであった。瑞然たる姿と羽や銅に入れた文様は作風をよく示している。

「蝋型鋳造飛天置物」
昭和9年
奈良・京都・古社寺の仏像、正倉院を参観し古代文化遺品のゆたかな美しさに圧倒・魅了され、その時の感動が蓄積されて開花した。飛行天女の流れるような衣紋を台上に安定させた手法は独特の見事さである。天女の容顔にうかぶ微笑も飛鳥仏から受けた印象を端的に表現している。

「蝋型鋳銅粧魚二題」
昭和35年
折柄落成した東宮御所の装飾用として作られたものである。
二尾の魚が水中深く入って行こうとする一瞬の姿をとらえている。台上に安定させるのに鰭を利用し、大は4点・小は3点で支えられている。